気分転換にパリから脱出!日帰りできる行楽スポット

パリ暮らし
ベルサイユ宮殿の大トリアノン宮の庭園

Byドメストル美紀

初夏の風吹くフランスより、ボンジュール!
ようやく青空が広がる陽気となりました。
そこで今回は、パリから日帰り距離にある行楽スポットをご紹介したいと思います。

その前に、フランス語のお勉強を少しだけ ……

本題に入る前に、語学サイトですからね、フランスの気まぐれな天候に関することわざをひとつご紹介しましょう。

En avril, ne te découvre pas d’un fil, en mai, fais ce qu’il te plait

遠い昔、春先のことでした。晴天と思いきや出先で急に雲行きが怪しくなり、雹(ひょう)が降ってくる。逃げ込んだカフェの軒先で、夫がつぶやいたのが、このことわざです。当時のわたしにはまだ難しすぎる構文だったので、何度も繰り返してもらった記憶があります。

要は、「気候の寒暖は、4月までは油断ならないけど、5月になったら大丈夫」という意味かと理解しています。(まみこ先生、間違っていたら直してね)

○美紀さんの素晴らしい訳に賛成です!–まみこ。

本当にこのことわざの通りでして、フランスの4月は、一日の中に四季が駆け巡るかのように、ころころ天候が変わります。それが徐々に収れんして、5月に入ると、薫風そよぐ初夏が到来!

……するはずなのですが、今年は5月になってもコートを羽織りたくなるような気候が続きました。フランスに来て20年以上たちますが、こんなに肌寒い5月は初めてのような気がします。

本当はこの「行楽トピック」ももう少し早く書きたかったのですが、グレイ色の空模様に、躊躇っていたのです。

でも、5月も下旬に入り、まもなく暦を捲ることに。
もういいでしょう。
待ちに待った行楽リスト、行っちゃいましょう。

気軽に行ける距離ということで、パリ近郊から100キロ圏内にあるスポットに絞っています。

ベルサイユ宮殿 Château de Versailles

はい、まずはワタクシ目の地元から。

まずアクセス方法ですが、パリの西南、20キロほどの距離にありますので、電車でもUberでもアクセス可能な距離にあります。

皆さんベルサイユ宮殿についてはご存じでしょうから、「住んでいる者目線」でお勧め動線を。

ベルサイユ宮殿のアイロニーは、その偉大さにあります。全部を一機に観ようとすると、疲労困憊して楽しめない可能性大。ですので、興味あるところだけを観ていく、というアプローチを勧めます。

例えば、マリーアントワネットがお好きであれば、小トリアノン宮とその庭園だけを訪れる。

小トリアノンの庭園にある「王妃の村里」

太陽王に拘るのであれば、王を中心に置いた宮殿の造りを脚で体感され、ルイ14世が建築を命じたという豪奢な「鏡の間」で締めくくる。

豪華!「鏡の間」

その他のアングルとしては、肖像画のみを追ってみる。家具・調度品のみを吟味する。

いや、この際宮殿はいいから、庭園を、公園(800ヘクタールありますが)を歩く。

「そんなに歩けないわ」という方は、庭園にある壮大な4つの噴水を追う、などなど。

現在修復作業中の「アポロンの噴水」

ベルサイユ来訪の際、宮殿と併せて立ち寄られて頂きたい場所に、ノートルダム広場で開かれるマルシェ Halles et marché Notre Dame à Versailles があります。ザ・マルシェという感じの盛大な屋内・外にまたがる市場です。開催日は、火・金・日のお昼ごろまでとなります。

また、旧市街地にあたる「カルティエ・サンルイ」もぜひ歩いていただきたいです。サンルイ大聖堂や、シャンピニョンのように背の低い青瓦屋根の商店街を歩いていると、タイムスリップしたような錯覚に陥ることでしょう。

シャンティイ城 Château de Chantilly

パリから北へ50キロほどの距離にあります。

お城は、ルネッサンス様式の建築となっており、「肖像画の小部屋」や「絵画のギャラリー」にみられる、素晴らしい絵画コレクションで知られます。

また、シャンティイと聞いて連想するのは……

そう、ホイップクリームですよね! 諸説があるようですが、フランスでは、シャンティイ城のお抱えシェフが発明したもの、と言われています。17世紀のことです。

クレーム・ド・シャンティイは、シャンティイ城の「ル・アモー Le Hameau」で頂くことができるとのこと。美しい庭園を散歩した後に、本場のクレームで疲れを癒す、最高ではありませんか?

ヴォールヴィコント城 Château de Vaux-le-Vicomte

パリ南南東、60キロ余りの距離にあります。

ルイ14世の大蔵卿だったニコラ・フーケ侯/子爵が建立したお城です。一説には、あまりに瀟洒なこの城を造ったため、フーケは太陽王ルイ14世の嫉妬を買い、失脚した、と言われています。

城内は程よい大きさですし、秀逸な音声ガイド(仏・英)や、テクノロジーを取り入れたインストレーションがあり、老いも若きも楽しめる見せ方をしています。

フーケ家のシンボルは、リス。
城内色々なところにリスが隠れていて、それを探すという楽しみ方
もあります

敷地内にセルフサービスのレストランもありますが、庭園でピクニックがお勧め。

庭園からの眺め

キャンドルナイトやクリスマスデコレーションといったイベントも評判です。

リストは、まだまだ続く

ここからは手短に行きますね。

プロヴァン Provins
パリより南東100キロにあります。中世にはシャンパーニュの大市の開催都市だったそうで、中世市場都市として世界遺産にも登録されています。薔薇が有名とのこと。

フォンテーヌブロー Château de Fontainebleau
パリより南70キロにあります。
建築様式が面白いお城見学のほか、フォンテーヌブローの森も有名です。ただ森は広大ですので下調べしておいた方がベター。ロッククライマーの聖地とされている 巨大な岩が並ぶエリアがあったり、なぜか砂浜があったり、多様なプロファイルを持つ森です。

またミレーなどの風景画家に愛されたバルビゾン村も近くにあります。

ミリラフォレ Milly-la-Forêt
パリより南65キロほど、フォンテーヌブローからそう遠くないところにあります。この村には、ジャン・コクトーの家があり、博物館として公開されています。(リニューアル終えたばかりで今月より再開)。またコクトーゆかりのチャペルもあるとか。

エヴルー Eveux
パリから西90キロほど行ったところにあります。
実はルーアンに向かう途中に偶然見つけた街でした。
小さな街ながら大聖堂があり、最新のパイプオルガンは音楽嗜好者の間では知られた存在らしく、オルガン・コンサートも時折開かれています。
街中には小さな運河も走っていて、レストランも幾つかあり、気軽にゆったりと過ごすにはぴったりの街です。

シュブルーズChevereues
パリの南西40キロほどの距離にある自然公園です。広大な平原には、川が流れ、城もあり、風光明媚な公園です。ピクニックを持ってハイキングなどいかがでしょう。

モー Meaux
パリの東60キロ弱の距離にある街。そしてモーといえば、そう、チーズのブリー・ド・モーのモーです。第一次世界大戦の戦車などが展示されているモー戦争博物館も有名。また大聖堂も見ごたえあり。

シャルトル大聖堂 Cathédrale de Chartres
パリの南西90キロほどの距離にあります。大聖堂はステンドグラスでも有名ですね。夜間に開催される光を使ったイベントは美しいと評判です。

僕は自分のうちが一番好き

……まだまだありますが、ここで一旦切りましょう。

Allez, bonne visite!

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