パリで評判のモンブランを作る!

パリ暮らし
montblanc  paris

”Le surprenant mont-blanc” — これは10月26日付のル・モンド紙に掲載された、日本人パディシエのモンブランについて書かれた記事の中の言葉。パリ七区にあるモリ・ヨシダ氏の、モミの木のような美しいモンブランについて絶賛しています。

モンブランは、ご存じのように、アルプス山脈にあるモンブラン山 Mont Blanc を象ったことからこの名で呼ばれるようになった栗を使ったケーキ。1907年創業のパリ1区にある老舗カフェ「アンジェリーナ」が生み出したものとか。

わたしとモンブランの出会いは、幼少の頃の、昭和な日本の町のケーキ屋さんのもの。あのマロンペーストがラーメンの麺だと信じて疑わず、どんなに薦められても口を付けることを拒んだものでした。大の栗好きなのに、勿体ないことをしたものです。

さて、モリ・ヨシダ氏が Youtube でこのモンブランの作り方 について解説していることを知り、早速見てみると……。

Oh là là ! 素人にはとても真似できない技のオンパレード。でも、とっても美味しそう。ちょうど田舎で栗をたくさん拾ってきたばかりでしたので、どれ一つ、試してみようか、とやってみました!

詳しいレシピや作り方については、動画を見ていただくとして、少しだけ解説しておきます。
モリ・ヨシダ氏のモンブランでは、タルト台にフィロ生地 pâte phyllo を使われています。フランスでは、このフィロ生地によく似たブリック生地 feuilles de brick の方が流通しているように思われるのですが、違いはというと、ブリックの方が少し厚めらしいです。日本にいらっしゃる方でしたら、春巻きの皮で代用できるかもしれません(なんていうと、パティシエの方達に叱られるかしら。海外にいると、何でも代用でなんとかしようとする癖がついてまして……)。

また、モリ・ヨシダ氏は、ホイップクリーム crème chantilly を作るのに、生クリームとマスカルポーネチーズを合わせています。これは、フランスの生クリームだと乳脂肪分が足りなくて(通常30%)中々角が立たないので、マスカルポーネチーズで乳脂肪分を加えるのです。わたしもショートケーキを作るときなどは使っている手です。

さて、出来上がりは、というと、モンブラン山というよりは アヴァランシュ avalanche –そう雪崩のような仕上がりとなってしまいました。でもお味は上々でしたので、はじめての手作りモンブランに大満足。

それにしても、日本人シェフやパティシエのご活躍がこのように報じられるのは嬉しい限り。自分のことのように誇りに思ってしまいます。
いつかモリ・ヨシダ氏の本物のモンブランを頂いてみよう、と楽しみにしています。


ドメストル美紀

タイトルとURLをコピーしました