ノエルの後は……ガレット・デ・ロワ(レシピ付き)

パリ暮らし

by ドメストル美紀

明けましておめでとうございます。
皆様はどのようなお正月を過ごされましたか。
フランスで暮らすようになって延べ20年以上経ちますが、毎年お正月は肩透かしを食らったような気分になります。というのも、ご存じのように、フランスでは、新年というものを真面目に祝う慣習がありません!

ノエルは家族(親戚を含む)で祝うのですが、レヴェイヨン( le réveillon、大晦日)は友達と集まってフェット(la fête パーティ)をすることが多いかな。みんなでワイワイとシャンパーニュを片手に新年のカウントダウンをして、また踊る……。そうです、元旦は遊び疲れてグラスマティネ(la grasse matinée、朝寝坊)する人が多いのです。日本の、あの凛としたお正月の空気感は全くないのですよ。

今年は暦も意地悪(?)で、元旦は日曜日。フランスでは元旦以外は祝日ではないので、2日から仕事始め、学校も3日からスタートのところが多かったのではないでしょうか。

クレッシュは、ノエルが終わっても、1月6日のエピファニーまで飾り続けます。
(ノエル前の画像なのでべべ・イエスがいません💦悪しからず!)

そんなフランスですが、1月にはちょっとした楽しみがあります。
それは、1月6日のエピファニーです。

エピファニー、日本語では「公現祭」と呼ばれる、新約聖書に由来するキリスト教上の祝日です。
ノエルの日、東方にいた三賢者は、ベツレヘムの方角に星が輝くのを見て、ユダヤの王が生まれたことを知ります。そこで祝いの贈り物を持って、星に向かって旅立ちます。そして13日目に、マリア様とべべのイエス様がいる馬小屋にたどり着いた、それがエピファニーなのです。

ですので、クレッシュ(la crèche de Noël、降誕場面)は、この日まで飾られ続けます。幼い子どもがいる家庭では、ノエルのあと、少しずつ三賢者をクレッシュに近づけて6日に到着させるそうです。
ちなみにわたしの夫は3兄妹の家庭だったので、各人一賢者を担当させてもらうのが恒例だったとか。お風呂の後、ゲームの駒のように、賢者のフィギュリンを少しずつ進めるのが楽しみだったといいます。でも悪いことをすると罰として激しく後退させられたり、妹たちがずるして先に進んだり、と悲喜こもごもでもあったようです。

Les rois mages、東方の三賢者たち。
それぞれ贈り物を手にしています。

でも、多くのフランス人にとって、エピファニーはイコール、ガレット・デ・ロワ(la galette des rois、王様の菓子)でしょう。フランス語を学ぶ皆さんですから、王様が複数形であることにお気づきですね? なぜか、もうお分かりですよね。そうです、三賢者のことを王様と呼んでいるのです。フランス語では、三賢者のことを、les Rois magesと呼びます。日本語では、賢者ではなく博士と訳することもありますし、フランス語では王様となっていて、かなり混乱が見られますが、2023年も前のこと(!!)ですし、よくワカリマセン!

ご存じのように、ガレット・デ・ロワは、フェーブが一つ隠されていて、それに当たった人は、冠を被らせてもらって、そのひと時の王様となる、そんな遊び心があるお菓子。この季節、フランスではパン屋さんやパティスリー、そしてスーパーでもガレット・デ・ロワが売られます。いろいろと食べ比べるのも楽しいのですが、手作りの、熱々のガレットに勝るものはないと、わたしは思っています。パイ生地とアーモンド・プードルさえあれば、意外と簡単に作れるので、お試しになりませんか?

普通のパイ生地で作るとこんな感じです(フランジパンが漏れていますが!)
冒頭の写真は、厚めEpaisseのパイ生地で作ったもの。

Recette:ガレット・デ・ロワの作り方

・オーブンを180°にしっかり予熱炊きします。 
・円形パイシート2枚( 在仏の方でしたら厚めのパイシートpâte feuilletée épaisseをお勧めします。しっかり膨らむのでいい感じに仕上がります。 日本では通販などで色々な種類が見つかると聞いています。ここでは、フランスの直径30cm近くあるパイシートをベースに書いていますので、フランジパンの分量を適宜調整してくださいね)
・有塩バター 100g (室温に戻して柔らかくする)
・砂糖 100g
・全卵 2コ
・アーモンドプードル 100g
これを混ぜるとフランジパンとなります。

円形のパイシートにこのフランジパンを広げ、フェーブを置いて、もう一枚、円形パイシートを被せます。端をしっかりと閉じ、中央にお箸でプスッと空気抜きの穴を開けます。さらに、上に焼いたときに照りが出るよう、溶き卵を塗り、オーブンでこんがり膨らむまで焼く、これだけです!

「ドメストル美紀の簡単・大雑把レシピ」

わたしは、フランジパンの上にダークチョコレートを刻んで加えたり、サイコロ状に刻んだリンゴや洋ナシなどを散らして、適当にアレンジしています。また、空気抜きの穴の代わりに、ナイフで芸術的な模様を描いてもいいと思います。自由に楽しんでみてくださいね~。

Joyeuse Épiphanie !

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