カフェ、ブラッスリー、ビストロ… どう違う? Café, brasserie, bistrot

フランス今週の時事コラム

カフェやレストランが閉鎖されて早半年。今、フランスで誰もが待ちわびているのが飲食店テラスの再オープン。マクロン大統領が3月末、第3次ロックダウン発表の際に案内した通り、5月の中旬にテラスは徐々に再開される方向だ。

春になり、穏やかな晴天が続いている。本来ならカフェのテラスはどこもサングラス客で鈴なりのはずなのに、今春も昨年春に引き続きその光景は見られない。その代わり、パリでは連日どの公園も椅子やベンチは満席、芝生も混み混み。人だらけで、園内を横切っただけでコロナに掛かりそうな気分になる。若者100人規模の野外フィエスタ発生も度々話題になっていて、これならテラスを開けたほうがマシなのでは?という気にさえなる。(カフェが閉まっているため、外出時のトイレ探し問題も解決するし…)

さて、この飲食店業界、第2次ロックダウンが行われた昨年10月よりずっと営業停止が続いている。この時にはレストランよりもバーの閉鎖のほうが数週間早く、その際、両者の違いはなんなのかが話題となった。

実際、フランスの飲食店の呼び名は多岐に富んでいる。有名なカフェレストランに加え、ビストロブラッスリー、そしてバーと様々。フランス人でも区別が付きづらいというこの分類、どんな違いがあるのだろうか?

まずは バー un bar。ここは酒類を含め飲料のみの販売をメイン・アクティビティとする「飲酒店」。パブのフランス版、とでも言おうか。おつまみのピーナッツくらいは出てきても、基本的に調理された食事はない。昨年10月にバーがレストランに先駆けて閉鎖となったのも、お酒を囲んでの集まりを制限するため。食事なら、食べ終われば人は帰る、という考えからだった。

その レストラン un restaurant。こちらは昼食と夕食をサービスするお店で、食事の時間帯しか開いていない。フランス革命後、失業した宮廷の料理人たちが自分の店を開き、洗練された料理を振る舞うことになったのが起源だとか。

その他、混同しがちなのが ビストロ un bistroブラッスリー une brasserie、と カフェ un café

街角のあちこちにあるカフェは、散歩の途中や読書したいときなどにフラッと立ち寄り飲み物を注文することができる。朝昼晩は食事タイムで、特に昼食・夕食時間帯は飲料のみのサービスを断るお店も多い。ただし、人手も足りている大きなお店であれば、食事コーナーと飲料のみコーナーを分けていたりもする(テーブルクロスや食器の有無で判断できる場合多し)

ブラッスリーはカフェ同様、休憩なしで営業している。ただしこちらは、一日中いつでも食事が可能という位置づけ。料理の種類は後述のビストロと似たり寄ったりで、更にシュークルートなどのアルザスの地方料理が加わることもしばしば。ブラッスリーは「ビール醸造所」という意味で、普仏戦争により1871年にアルザス・ロレーヌ地方がドイツに割譲された際に、その地方から逃げてきた人たちがビール醸造を併設して営業を始めたのが起源らしい。

最後はビストロ。ナポレオン戦争時、パリで食事をするロシア兵たちが給仕の遅さに業を煮やして「ビストロ!(ロシア語で「早く!」)」と叫ぶくせがあったことからそう呼ばれ始めた、と、まことしやかに囁かれてはいるが真相はいかに… 料理はカモのコンフィ Confit de canard やカスレ Cassoulet、ステーキ&フライドポテト Steak frites、牛タルタール(生ハンバーグ)Tartare de bœuf など、簡単に調理可能なフランス定番のいわゆる「ビストロ料理」。ビストロは、レストラン同様、食事時間しか営業しないのが基本。

以上、一応分類はしてみたものの、実際にはバー/レストラン、カフェ/ビストロ、ブラッスリー/カフェなど、ミックスした名を掲げて営業している店舗も多い。境界線はかなりアバウト?
いずれにしても、これまで苦境に立たされてきた飲食店の早期営業再開を待つのみ!

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by ambi (パリあんび)

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