見え隠れの再ロックダウンと学校閉鎖問題

フランス今週の時事コラム

「オオカミが出るぞ!」のごとく「再々ロックダウン発表間近!」と聞かされ続けた一週間。金曜の晩、ジャーナリストたちが にわかに騒ぎ始めた: 今夜エリゼ宮(大統領府)から重大発表がある!」

登場したのはカステックス首相。エリゼ宮から大統領ではない人物が国民に発信するのは異例とのこと。スピーチの直前、18時にマクロン大統領が 公衆衛生防衛会議 conseil de défense sanitaire を招集、再ロックダウンのサスペンスに何らかの終止符を打たなければならないタイミングであった。

ロックダウン?週末外出禁止令?学校は???… 憶測が飛び交う中、苦虫を噛みつぶしたような顔でカステックス首相登場。大型ショッピングセンターの閉鎖、不要不急の用件を除く出入国禁止などのマイナーチェンジを5分そこそこで発表し、得意の質疑応答の時間も設けずに足早に去っていった。

政府メンバーの間で意見が割れているのは周知のことらしく、マクロン大統領はロックダウンを絶対に避けたい派、カステックス首相は確固たるロックダウン派。公衆衛生防衛会議ではマクロンの主張が通り、マイナーチェンジのみの実質上の「現状維持」を発表するのに大統領を登場させるまでもなくカステックスが送り込まれた形だ。

また、高止まりしたままのコロナ感染状況がこの先上がるか下がるか読めず、再ロックダウンの発表が必要になったときのためにマクロン大統領を切り札に確保しておく必要があった。

結局、もやもやの晴れぬまま「様子見」となった訳だが、いったい いつまで? 特に、さんざん噂されていた学校閉鎖はどうなるのだろう?

そう、大きな争点である学校問題。新たな措置の発表は無かった。

フランスの学校は従来2月に冬のバカンスとなる。スキーシーズンと重なる2月の冬期休暇と4月の春期休暇には特徴があり、フランスでは国を3つのゾーンに分け、各地域2週間ずつローテーションで休みに入る。雪山レジャーに人が一気に集中しないための対策。各ゾーンは他ゾーンと休暇が1週間ずつ重複するため、全国では計4週間、順番に休みが続く。今年は2/8から4週間。

国民が一致して学校閉鎖を危惧するなか、従来2週間のバカンスを、全ゾーン4週間に拡張する案もささやかれていた。スキー場も閉鎖されている状態で家族旅行も限られるだろうし、バカンスの延長なら学校を閉鎖したことにはならず不満も限られるかも。場合によっては、学校の冬期休暇に合わせてロックダウンを行うという手もある…

2/8まであと一週間。現時点で多くの切り札を手元に残したままの政府。はたしてどう出るか?

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by ambi(パリあんび)

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