コロナ変異ウィルスの呼び名、地名で正解?La dénomination des variants

フランス今週の時事コラム

🌞夏時間🌞 になったフランス。
コロナ第3波を受け、パリ首都圏を含めた国の一部は先週より 中途半端なロックダウン に入っている。マクロン大統領と政府は高みの見物を決め込んだかのように、 気長に名ばかりロックダウンの「成果」を待っている。一方、現場では、コロナ患者で病院はあふれ、生徒の感染が急増中の学校からは教職員たちがSOSを発信している。とまあ、今週末のフランスはざっとこんな様子。

ところで、この第3波の主因とされている英コロナ変異株、フランスでは le variant anglais または le variant britannique と一般に呼ばれている。両方とも英国を意味し、他の有名な変異株(ブラジル、南ア)についてもそれぞれ国名がそのまま使われている

トランプ前アメリカ大統領がコロナウィルスを「チャイナウィルス」と連呼することに不快感は感じても、「イギリス変異種」と聞いても正直あまり違和感はなかった。1月のある朝、ニュースで「日本変異ウィルス variant japonais」の名を耳にするまでは…

一週間ほど前、レゼコー新聞「変異種の呼び名はデリケートな問題」と題した記事があり、興味深く読んだ。その3日ほど前に、フランスのブルターニュ地方で正体不明の変異株が確認され話題となったばかりだった。

ふーん、これまで「イギリス」「南アフリカ」「ブラジル」「日本?!」とさんざん国名で呼んでおきながら自国の変異株の呼称は気になるんだな~ と、からかい半分で読み進んだのだが、この話題が記事として取り上げられることはむしろ良いことではないだろうか。

一時フランスで報道された「日本変異種」とは1月に日本で確認された「ブラジル変異種」のことだが、当初はきちんと調べもせずにどの仏メディアも日本発祥であるかのように報道した。(1週間ほどでシレッとブラジルに切り替わったが…)

その時は、日本という国名が使われたことよりもジャーナリストが確認もせずに安易に「日本」「日本」と連発したことにイラッとしたのだが、たとえ日本由来のウィルスであったとしても「日本」とカテゴリー付けされるのは気持ちのいいものではないな、と改めて感じたのだった。

少し前に耳にしたニュースで、南アフリカも変異種を国名で呼ばれることに辟易していると聞いた。「解析技術が進んでいるからいち早く変異株を発見するのであって、由来は定かではない」という。もっともだ。だいたい、いろんな変異種が世に蔓延してからようやく検体の解析に乗り出したフランスに決めつけてなんか欲しくない。

さて、記事によると、病名のつけかたについては2015年にWHO(世界保健機関)が発行した指南書があるという。地名、動物名、食品名、一定の文化や民族、職種などは避け、症状(例:呼吸障害)などの汎用的な名称を使用するよう書かれている。また、病原体が判明している場合はその名前を使用するという(コロナウィルス、サルモネラ…)。

それでも実際は、メディアが配信し普及してしまった呼び名を塗り替えるのは至難の業。こうなったら、アルツハイマー病など発見者名の病名が功績扱いされているように「我が国が発見した新ウィルス!!」といち早く宣言し開き直る作戦でいくしかない?(だめかな、やっぱ…)

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3月27日

by ambi(パリあんび)

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