コロナ探知犬、希望の光?Les chiens renifleurs Covid

フランス今週の時事コラム

現在試験中の画期的なコロナ対策をご存知だろうか。

イル・ド・フランス地域圏(パリ首都圏)を後ろ盾に真剣に取り組まれているのがコロナウィルスを嗅ぎ分けるワンちゃんの訓練。権威あるメゾンアルフォール獣医学校のチームが手掛けるこのオペレーション、成功すれば画期的なコロナ対策となりうる。

PCR検査では人手、検査薬、精密機器に加え時間もそれなりに必要だが、犬は数秒クンクンするだけ。掛かる費用も前者が1回60ユーロなのに対し後者は1ユーロ。こんな素晴らしい話はないではないか。

実際、犬の嗅覚は人間の100万倍は発達しているという。100万倍!想像も出来ないがこれならウィルスの臭いをも嗅ぎ分けられるという話も納得できる。

さて、今回の試験プログラムはイル・ド・フランス地域圏のペクレス議長が指揮を取り、2/17から2~3週間の予定で実施されている。調査対象は学生など2000人。犬20匹が動員され、アラブ首長国連邦(UAE)からも3匹援護参加しているという。

UAEでは実際に空港でコロナ探知犬がすでに活躍。フィンランドやチリでもすでに実践中とか。

鼻綿棒を使わず、汗やマスクの臭いだけで「高度な検査」が完了するのなら被試験者にとってもまたとない朗報。獣医学校のチームリーダー曰く犬にとっては「遊び」なため、関係者だれもが WinWin となる話だ。

課題点があるとすれば「イヌ手」が足りないこと。今後全国規模で検査するとなると20匹ではとうてい間に合わない。上記チームリーターによれば、犬の「コロナ探知研修」は一匹4~5週間かかるという。一般人の愛犬を訓練するという可能性もありうるそうだ。

残るは「科学的裏付け」が取れるかどうかという点。が、以前コルシカの感染クラスターで「犬探知」が行われた際、95%の精度でコロナ感染が見つかったという。正直、これだけの結果があるのなら、ごちゃごちゃ言ってないで「経験則」だけで良しとは出来ないのか?その間にもウィルスはお構い無しで蔓延しているのだし。

パリ首都圏での「実験」開始からそろそろ2週間。結果報告が待ち遠しい。鼻に綿棒よりはワンちゃんにクンクンされたほうが良い!という人は私だけではないはず…

by ambi (パリあんび)

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