コロナ最前線の話題はなんといってもワクチン。ニュースチャンネルでは連日あーでもないこーでもないとワクチン接種のあれこれについて語られている。
最近では、ついにベラン保健大臣が、政府メンバーのトップバッターとしてアストラゼネカ・ワクチンを受けた。40歳と若く、普通なら優先接種の対象とはならない年齢だが、医師であるため優先の条件はクリアしているということだ。
大臣のワクチン接種はテレビカメラの前で行われ、各メディアで中継された。その際、半露出した筋肉質の上半身に注目が集まり、一時ソーシャルメディアが騒然となったほど。接種の様子を大臣自らツイートしたところをみると、本人も密かに自慢だったのでは… と勝手に思い込んでしまう。
そのワクチン、コロナ感染した人も受ける必要があるの?と疑問に思った人は案外多いのでは?水疱瘡などは一度かかったらもう掛からない、ワクチンもしないというのが一般的な考えであるし、ワクチンの調達が全国的に遅れている今、無駄な接種も避けられる。
なにより、このフランス、地域にもよるのだろうが、何気に感染済みの人が多いような… 公式な推計ではこれまで350万人が感染しているという。すなわちフランス人口の5%強、20人に1人。
ただし、メディアでは 現実の感染者数はもっともっと多いに違いない!との見方が優勢だ。実際、本人や家族、友人や知り合い、身の回りで掛かったという人がザラにいるのではないだろうか。
なので、ワクチンを受けるべきか否か?は、感染済みの人にとっては特に悩ましいクエスチョンのはず。
そして、先週ようやくその疑問に対する答えが!
「すでにコロナ感染した人もワクチンを受けなくてはならない理由」と題した2/9のこの記事では、一度掛かった者でも感染から3ヶ月おいてワクチン接種するとよいと勧めている。その理由は ①免疫効果の持続性 ②変異種に対する自然免疫の耐久性 の2点がまだ研究不足であるからだという。
さらに3日後の2/12、こんな記事が:医療に関するご意見番のフランス高等保健機構(HAS)が「過去にコロナ感染した者に対するワクチン接種は1回のみでよい」との見解を示した。
現在フランスで許可され出回っているワクチンは3種(米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカ)で、いずれも1人2回の接種が行われる。その2回目の注射が省略可ということになる。推奨されている接種時期は、コロナ感染から最低3ヶ月後から6ヶ月後が目安。
HASの意見は近く政府に承認されるだろう。不足しているワクチンの節約にもなるし政府が反対する理由もない。
あー、これで一つ難題が解けたと感じる人もいるだろうか。ただ、今の接種ペースでは、大多数の国民に順番が回ってくるのはいつのことやら… それまでにまた、ワクチン政策は2転3転… X転しそう。
by ambi (パリあんび)
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