フランスのデモ Manifestation

フランス今週の時事コラム

今週の時事コラム

もともとストライキデモが盛んなことで有名なフランス。

先週末の土曜日11月28日はフランス各地で『La marche des libertés(自由のための行進)』と呼ばれるデモ活動が全国各地で行われました。ロックダウン下にもかかわらず参加者が多く、メディアでも大々的に話題になったので気づいた方も多かったのではないでしょうか?

このデモに参加した団体や人々は「表現の自由 la liberté d’expression」や「報道の自由 la liberté de la presse」が制限されるとして「グローバルセキュリティ法 (la proposition de loi « sécurité globale »)」と呼ばれる治安対策強化のため政府が制定を希望している法案に反対しています。とりわけ法案の第24条、任務にあたる警察官を映した画像・動画の拡散を禁止する目的の文案が問題視されています。

さて、今回はこのフランス名物であるデモ活動 La manifestation に関する用語をいくつか紹介しましょう。

La manifestation
会話では短縮して la manif マニフと呼ぶ。ちなみに日本でいう「デモ」は英語のdemonstration から来ており、フランス語にも存在するune démonstration (証明する行為、商品のデモンストレーション)とは意味合いが違うので注意。

Le cortège
デモ行進の行列。デモ隊。

Une pancarte
プラカード。デモ行進には必須のこのアイテム、フランスでは言葉遊びや語呂合わせなど工夫されているものが多く、メディアも率先してデモ隊の中から「優秀」なプラカードを映し出す。フランス語の奥深さが垣間見れるので、段ボールに書かれた文字には要注目!

L’organisateur
デモの主催者。多くの場合、労組 les syndicats や市民団体 les associations, les collectifsなど。大きなデモ行進には通常複数の主催団体が存在する。

Les chiffres
主催者側と警察側との攻防となるのが常の「参加者数」。どのマニフも、終了後には主催者発表と警察発表の2つの集計が公表される。2つの数字が合致することは滅多になく10倍の格差も珍しくない。ちなみに、上記「La marche des libertés」の参加人数は警察発表13万人、主催者発表50万人。

Les forces de l’ordre
デモ行進の秩序を守る目的で国や地方公共団体が派遣する保安部隊を総じて Les forces de l’ordre と呼ぶ。La police 警察、les CRS 機動隊、les gendarmes 憲兵隊(軍に帰属)La Brav (主にデモ活動時に形成) など。

Les black blocs
ブラック・ブロック。近年のマニフには定番となった超過激派集団。手あたり次第に物を壊すことからフランスでは Les casseurs(壊し屋)とも呼ばれる。正規のデモ隊が解散する頃にどこからともなく出現、全身黒づくめに覆面で警察を挑発し暴れまわる。無政府主義者(Les anarchistes)や超左翼(L’ultra-gauche)の集まりと言われるが、掴みどころのない厄介な存在。

by ambi

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